Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かんおけのはなよめ

棺桶の花嫁

海野 十三

Lisez 棺桶の花嫁 (かんおけのはなよめ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 845 caractères · 86 écrans

Aozora Bunko

と、路傍の天幕から、勇ましい声がした。

杜がその方をみると、向う鉢巻に、クレップシャツという風体の店員らしいのが飛び出して来て、

「さあ、腹を拵えとかにゃ損ですよ。――お握飯をあげましょう。手をお出しなさい。奥さんの分とともに、三つあげましょう。すこし半端だけれどネ」

そういって若い男は、杜の手の上に、大きな握飯を三つ載せた。

奥さん?

杜はハッとしたが、それが後からついてくる人妻お千のことだと思うと、擽られるような気がした。

杜は、そこをすこし通りすぎたところで、お千の方をふりかえった。そして彼女の手に握飯を一つ載せ、それからまた考えて、もう一つをさしだした。

女はそれを固辞した。杜は自分はいいからぜひ喰べろとすすめた。女はあたしこそいいから、あなたぜひにおあがりといって辞退した。杜はこの太った女が、腹を減らしていないわけはないと思って、無理やりに握飯を彼女の手の上に置いた。すると握飯はハッと思うまに、地上に落ちて、泥にまみれた。

女はそれを見ると、急に青くなって、腰をかがめて、落ちた握飯を拾いあげようとした。彼は愕いて、女を留めた。

女は杜の顔を見た。