Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 078 caractères · 285 écrans

Aozora Bunko

「そうかもしれねえです」

「そうかもしれないって」

「わたしたちにはわかるですけれど、殿さまの御性分を知らねえ人にはわからねえようですからね、そうかもしれないって云うよりしようがねえです」

「たくさんだ、原田の話しはやめにしよう」

「お客さんが始めた話しですからね」

そのとき宿の者が廊下へ来た。

「お客さまでございます」と宿の者が廊下で云った、「仙台から里見さまと、小野のお館から使いの方が、ごいっしょにみえました」

「里見と、小野から」

七十郎は宿の者を見た。その一瞬間、眼の前が霧にでも蔽われたように、突然ぼうとなり、宿の者の姿がかすんで、無限に小さく、遠のいてゆくように思えた。七十郎は、ここへ、と云いながら、眼をつむって、強く首を振った。

里見十左衛門と共にはいって来たのは、小野の館の家従で、鷺坂靱負という老人であった。ふじこはすぐに二人の席を設け、かれらに火桶を持って来た。十左は坐るなり、火はいらぬ、と云い、ふじこに向かって手を振った。さがっていろ、という意味である。ふじこは七十郎を見た。

「まあいい、湯にはいって一と口やってからにしないか」

と七十郎が云った。