Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 078 caractères · 285 écrans

Aozora Bunko

「人間はしばしば」と七十郎が低い声で云った、「見ることのできない、なにかの力、なにかの意志、といったものに支配されることがある」

十左は口をあいて彼を見た。

七十郎は銚子を取って十左に酌をし、ふじこに、酒を持って来い、と命じた。十左は手拭で頸や額を拭きながら、どういうつもりだ、と訊いた。七十郎は重ねて酌をし、十左はおちつかないようすで飲んだ。

「明日の朝ここを立とう」と七十郎が云った。

「明日だって、まだこんなに陽が高いぞ、いま立てば昏れるまえに永野までゆけるぞ」

「なぜそういそぐんだ」と七十郎が云った、「小野へ帰るには仙台を通らなければならない、知った顔に会わないためには、時刻を計る必要があるじゃないか、それに、どうするかということは、ここで充分に考えておかなければならないだろう」

「まだ思案がきまらないのか」

「あぐらをかくがいい、里見老、時間はまだたっぷりある」

十左はむっとふくれた。

ふじこが酒を持って来ると、七十郎は十左に、この娘は船岡の者だ、と云った。ふじこはおじぎをして、里見さまは知っています、と云った。与五兵衛の小屋で会ったことがある、と云ったが、十左は見もしなかった。