Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 148 519 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

おみやはさして恥じるようすもなく、頬を赤くしながら、これも興ありげに、なんでも答えた。女は乾いた声で笑い、眼をぎらぎらさせた。

「相当なもんだ、おまえさんて人も」

「あらどうして」

「まえの武家の旦那っていうのに仕込まれたんだね」

「ぶつわよ、おばさん」

やがて表てから、雇いの茶汲み女がはいって来た。

「おそくなって済みません」

「いまじぶんよく来られたもんだね」と女は険のある声で云った。おみやはそれをしおに立ちあがった。

「あたし帰りますわ」

「まあいいじゃないの」

「でもそうしてはいられませんから」

おみやは包みを抱えた。

茶汲み女は「母親のぐあいが悪いので」と云いわけを云っていた。おみやは女に挨拶をして、その茶店を出た。

材木町の家へ帰り、隣りへ声をかけると、お久米が慌てたように出て来て、「ちょっと」と囁きながら、手まねきをした。おみやは土間へはいった。

「あの人があんたのあとを跟けてったらしいわよ」

「あの人って」

「新八っていう人よ」

おみやはどきっとした。

「ちょっとあがらない」とお久米が云った。

おみやは首を振り、声をひそめて訊いた、「あたしのあとを跟けたんですって」