Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はるはばしゃにのって

機械・春は馬車に乗って

横光 利一

Lisez 機械・春は馬車に乗って (はるはばしゃにのって) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 77 492 caractères · 156 écrans

Aozora Bunko

私はときどき仕事に疲れ夜中ひとり火鉢(ひばち)に手を焙(あぶ)りながら、霙(みぞれ)の降る音などを聞いているとき、ふと高次郎氏は今ごろはどうしているだろうと思ったりすることもあって、人には云わず、泡のように心中を去来する人影の一人になっていたころである。ある日、私の家の二階から見降せる所に、二十間ほど離れた茶畑の一隅が取り払われ、そこへ石つきが集って十坪にも足らぬ土台石を突き堅めている声が聞えて来た。

「家が建つんだなア。近所へ建つ最初の家だ。あれは」

こんなことを私は家内と話していると、また八百屋の小僧が来て、そこへは高次郎氏の家が建つのだと告げていった。自分の家の傍へ知らぬ人の家の建つときには、来るものはどんな人物かと気がかりなものだが、それが高次郎氏の家だと分ると急に私は心に明るさを感じた。しかし、また小さな私の家よりはるかに狭い彼の家の敷地を見降して、堂々たる風貌におよそ似もつかぬその小ささに、絶えずこれから見降さねばならぬ私の二階家が肩の聳(そび)えた感じに映り、これは困ったことになったと私は苦笑した。故(ゆえ)もなく自分の好きな人物に永久に怒りを感じさせるということはこの土地を選んだ最初の私の目的に反するのである。