Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 178 724 caractères · 355 écrans

Aozora Bunko

」

次郎にはまるでわけがわからなかった。少佐自身としては、そんな表現を用いたことが何か哲学者めいた、一世一代の思いつきのように思え、また、それがきっと次郎の急所をつくにちがいないと信じ、内心大得意でいたが、次郎にしてみると、迷信などという言葉は、あまりにも自分とは縁遠い言葉だったのである。

二人はただ眼を見あっているだけだった。

「わからんかね。」

少佐がしばらくして言った。

「わかりません。僕が迷信家になりそうだって仰しゃるんですか。」

「そうだよ、もうすでに迷信家になっているんだよ。」

「どうしてです。」

「朝倉先生の言われたことだと、君は無条件に信じているんだろう。」

今度は多少の手ごたえがあったらしかった。次郎はじっと考えた。しかし、間もなく彼はきっぱりと答えた。

「信ずる価値のあるものを信ずるのは、迷信ではありません。」

少佐は二の矢がつげなかった。しかしぐずぐずしているわけにはいかない。

「価値のあるなしは、どうして決めるんだ。」

「自分で決めます。」

「すると朝倉先生が言われたから何もかも信ずる、というわけではないんだね。」

「むろんです。自分で正しいと思うから信ずるんです。