Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 178 724 caractères · 355 écrans
しかし、そうではないらしかった。彼は安心しながらも、ますますわけがわからなかった。
「腹の底からの悪人もないが、しかし、また一から十まで完全な善人もない。たいていの人間はやはりならず者だよ。朝倉先生のような人はべつとして、学校の先生でも、先ず百人が百人、ある程度のならず者だと言ったって差支えないと思うね。軍人なんか、このごろは相当のならず者になってしまっているよ。考えようでは指なしの権や、饅頭虎なんかより、よほど始末のわるいならず者だろう。すばらしく大がかりな無茶をやるからね。」
俊亮の言葉の調子には、少しも誇張したわざとらしさがなかった。あたりまえのことをあたりまえに言っている、といった調子だった。しかし、そうであればあるほど、きく人の方には、それが却って奇抜に感じられるのだった。みんなの顔はいつの間にか微笑していた。俊三などは、今にも拍手でもしそうな様子だった。俊亮はみんなのそんな様子をちょっと見まわしたあと、次郎に眼をすえ、
「そこで、いよいよ次郎の問題だが、どうだい、これだけ言えばもうわかるだろう。」
次郎には、しかし、まだ返事が出来なかった。