Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 178 724 caractères · 355 écrans

Aozora Bunko

それが昨日以来、まったく沈默を守りつづけている。きょうはことに新賀や梅本に対してもあまり口をきかない。今朝あたりまでは、誰もそれを気にとめなかったのだが、みんなが笑うときに笑いもせず、また先生たちの品定めや、事件のこれからの成行きについて、みんなが非常な関心をもって話しあっているのに、自分ひとりで校庭をぶらつきまわったりしている彼の様子が、いつまでも周囲の注意をひかないでいるはずがなかった。しかも彼が、同級生の大部分がまだ朝倉先生の顔も知らない一二年の頃から、室崎事件や宝鏡先生事件を通じて先生から大きな感化をうけ、その後、白鳥会の一員にも加わって、先生の心酔者の中でもその第一人者になっていることは、誰でも知っていることである。こんな時こそ彼はみんなの先頭に立って活動すべきではないか。そうした考えが、一般の生徒たちの頭に浮んで来るのはごく自然であった。

「本田のやつ、どうしたんだろう。いやに考えこんでばかりいるじゃないか。」

「悲観しきって、どうにもならないんだろう。」

「朝倉先生にお別れするからかい。」

「そうだよ。あいつはまるで恋人のように朝倉先生を慕っていたからね。