Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 117 781 caractères · 235 écrans

Aozora Bunko

」

次郎は、胸の奥に、急に凉しいものを感じた。しかし、顔付は相変らずむっつりして、

「僕、先生にお目にかかりたいんですけれど。」

「そう? 先生は、いま、畑ですの。しばらく二階で本でも読んでいらっしゃい。あたし、先生にすぐそう申して置きますから。」

次郎は、しかしそう聞くと、

「じゃあ、僕、畑の方に行きます。」

と、すぐ中門から庭を横ぎって畑に行った。畑は庭つづきで、間を低い生垣で仕切ってあったのである。

胡瓜や、茄子や、トマトなどのかなりよく生長している中に、朝倉先生は、猿股一つの素っ裸でしゃがみこみ、しきりに草をむしっていたが、次郎が挨拶をすると、かんかん帽をかぶった頭をちょっとねじむけて、

「やあ、本田か。」

と、言ったきり、また草をむしり出した。

次郎の張りきって来た気持は、それでちょっと出鼻をくじかれた恰好だったが、先生は、むしった草をかきよせながら、間もなくたずねた。

「ひとりで来たんかい。兄さんは。」

「まだ帰って来ないんです。」

「まだ? ……高等学校はもうとうに休みのはずだがね。」

「今度の休みには帰らないかも知れないって、手紙でいって来ました。