Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 117 781 caractères · 235 écrans

Aozora Bunko

君の兄さんも、それで教えなかったんだな。僕、うっかりしていた。」

次郎は、変な顔をして、

「どうして教えてはいけないんです。」

「ついこないだ、先生にそう言われたんだ。はじめての人には、文字だけは教えてやってもいいが、意味は、一応めいめいに考えさしてみるがいいって。……僕たちが会員になった時には、真っ先に先生にそれを説明してもらったもんだがね。」

次郎は、そう言われると、もう強いて教わろうという気がしなかった。彼は、もう一度額の字を見つめた。そして、何度も、口の中で「白鳥芦花に入る」をくりかえしていた。

佐野は、次郎の様子をにこにこして眺めていたが、

「そうせっかちに考えたってわからんよ。すいぶんむずかしいんだから。それよりか、どうだい、あの掛軸の方は。あの方なら、字が読めさえすれば、意味はだいたいわかるよ。」

次郎は、返事をしないで、そろそろと掛軸の方に眼を転じた。しかし、心はまだ額の字に未練を残しているらしかった。

「読めるかい。」

「読めません。どこから読むんです。」

「あのまん中の大きく書いたところから読むんだよ。」

佐野は立ちあがって掛軸のそばに行き、一字一字、指で文字をたどりながら読んでやった。