Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 443 caractères · 398 écrans

Aozora Bunko

塵を廊下に掃き出すと、かれはバケツに水を汲んで来て、寝間と事務室とに雑巾がけをはじめた。窓をすっかりあけはなった、まるで火の気のない、二月の朝の空気は、風がないためにかえってきびしく感じられた。これまでたびたび同じ経験をつんできたかれにとっても、仕事は決してなまやさしいものではなかった。どうかすると、手がしびれるようにかじかんで、雑巾が思うようにしぼれず、また、拭いたあとの床板が、つるつるに凍ることさえあるのだった。かれは、しかし、二つの室をすみからすみまで、たんねんに拭きあげた。

もう、そのころには、廊下を行き来する塾生たちの足音も頻繁になり、ほうぼうから、わざとらしいかけ声や、とん狂な笑い声などもきこえていた。ゆうべの懇談会で分担をきめ、かれら自身の室はもとより、建物の内部を、講堂や、広間や、便所にいたるまで、全部清掃することに申し合わせていたので、かれらも、まがりなりにも責任だけは、果たさなければならなかったし、それに、きびしい寒さと、おたがいの眼とが、かれらを、外見だけでも、いかにも忙しそうな活動に駆りたてていたのである。

次郎は、自分の責任である二つの室の掃除を終わると、すぐ便所掃除の手伝いに行った。