Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 443 caractères · 398 écrans
」
次郎は、目をぱちぱちさせながら、大河を見おろした。大河は、まだ心配そうな顔をして次郎を見あげている。次郎は、大河の顔に例の笑いが浮かんでいなかったので、ほっとした気持ちだった。
「ほんとうにだいじょうぶです。何でもなかったんです。」
次郎はもう一度そう言って、すぐ鋸をひきはじめた。
大河がそこいらにあった木の枝を運び去ったあと、次郎は、まるで質のちがった二つのにがい味を、同時に心の中で味わいながら、黙々として鋸をひいた。永久に恋を失ったということも、にがい味のすることだったが、弱い人間として大河無門の前に立たされているということも、それにおとらず、にがい味のすることだったのである。
三時になると、みんなは草っ原に腰をおろして、お茶をのみ、ふかし芋を食った。一人あたり一日五十銭の食費の中から、こうした場合のおやつ代をひねり出すのは、炊事部に任された権限なのであった。
郵便物当番も、もうむろんそのころには帰って来て、仲間に加わっていた。かれは、芋を頬張りながら、みんなに今日の発信数と、これまでの累計とを報告したあとで、言った。
「封書だけで言うと、今日がレコードだったよ。