Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うたのうるおい

歌の潤い

伊藤 左千夫

Lisez 歌の潤い (うたのうるおい) de 伊藤 左千夫 (いとうさちお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 665 caractères · 10 écrans

Aozora Bunko

こうなると、甲は味いがあるから佳作だと云い、乙は味いは無いが面白いから佳作だと云える訳である。それをまた一面から云うと、甲の味いを感ずるのは何等かの錯覚に基きやしないかと疑うことも出来る。乙の味を感じ得ないのは、あるいは感覚の鈍い為めにその味いを感ずることが出来ないのであろうとも云える。

これが飲食物であるならば、味いがなくてうまいというものは絶対に無いと云えるが、食味の鑑賞と芸術の鑑賞とを全然同感覚に訴える事は出来ないようにも考えられるから、歌の上には味いは無いが面白いことは面白いというような歌があるであろうとも考えられる。芸術が人に与うる興味は、飲食物のそれよりも、更に数層複雑なものであること勿論である以上、味いは無くても面白い歌という歌は有得べく思われる。

こう押詰めて来て見ると、その面白いということ(味いが無くても面白いという面白さ)は正しき芸術的感能に訴えた面白さであるか否か、と云うことだけが疑問として残る訳である。がそれは到底説明し能うべき問題でないような気がするから、結局面白く感ずるのは、その人が何等かの味いに触れるからという、概念的結論に帰着する外無いかも知れない。