Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぶどうむもん
武道無門
山本 周五郎
Lisez 武道無門 (ぶどうむもん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 130 caractères · 24 écrans
三
大きな躯を丸くして、めった無性に駆けた。なんども追い付きそうになった。殆んど手が届きそうになったこともある、それで彼は焦った、焦ったあげく分別を忘れ、夢中で相手の背中へ大剣を叩きつけた。……ところがそれは無理だった、その動作は疾走している躯の重心を破り、彼は誰かに突き飛ばされでもしたようにのめった、みごとつんのめった。……そしてもう起き上る力もなく、仰反けざまに伸びたままはあっ、はあっと今にも絶入りそうに喘いでいた。
「さあ来い、起きて来い」小弥太は中段の剣を、ゆらゆらと上下に動かしながら、元気な声で叫んだ、「拙者は卑怯な真似はしない、こうして待っていてあげる、起きて来い、さあ……起きておいでなさい」
然し勘兵衛には聞えなかった。「はあっ、はあっ」という喘ぎと共に、彼の厚い胸板は、今にも破裂しそうな勢いで荒々しく波を打っていた。
三
草原の一隅に馬上の武士が三人、さっきから馬を停めて、この様子を笑いながら見ていた。……いちばん前にいる逞しい相貌の一人は、岡崎五万石の領主、水野監物忠善で、近習の者二名と共に遠乗りに出た帰途、はからずもこの類のない果し合をみつけたのであった。