Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しまでをかたる

死までを語る

直木 三十五

Lisez 死までを語る (しまでをかたる) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 739 caractères · 85 écrans

Aozora Bunko

一つ、北の通りが、十二軒町と云って、役人の邸跡であるが、そのつづきの神崎町の腕白共を対手に、竹竿をもち出して、大喧嘩をしたのも、その時分らしい。私は、中学でもう一度、大乱闘をやっているが、それは後の事にする。

五

小学では、秀才で、大抵一位か、二位であった。今、何うして、こんなに字が拙くなったのか知らぬが、御手本を見て、真似する字は、私が第一で、丁度、三年生の時、書の上手なのを、雨天運動場へ掲げるようになったが、真先に、私のが出た。

父は、寺子屋しか知らぬから、字が上手だと、何より喜んで、この時も、すぐ、薄氏の所へ自慢に行ったらしい。

所がである、同じ三年の時、菅原道真の事が、読本に出ていた。その中に「遷され」という字があったが、先生から、聞かれても、誰も答えられない。

「植村」

と、最後の指名が、いつもの如く私へ来た。

「流されです」

と、答えると

「意味は同じだが、うつされと読む」

と、先生が云った。それまで、級中第一の自負心をもっていた私は、この間違いが、叩きのめされたように堪えた。それ以来、いかなる場合にも、知っている、という合図の為に揚げる手を、決して揚げなくなってしまった。