Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
したいろうそく
死体蝋燭
小酒井 不木
Lisez 死体蝋燭 (したいろうそく) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 917 caractères · 10 écrans
「よし、それではこれからすぐに取りかかる」
「え?」
「これから人殺しをするのだ」
「どこで……」
「ここで」
「誰を殺すのですか」
和尚は返答する代わりに、殺気に満ちた顔をして、左手で、阿弥陀如来の方を指した。
「それではあの阿弥陀様を?」
「そうではない。あの尊像の後ろには、今、この暴風雨に乗じて、この寺にしのび入った賽銭泥棒がかくれているのだ。それをお前の身代わりにするのだ。さあ来い」
和尚は立ち上がった。が、法信が立ち上がらぬ前に、そこに異様な光景があらわれた。
阿弥陀如来の後ろから、巨大な鼠のような真っ黒な怪物が、さッと飛び出して、あたりのものを蹴散らかし、一目散に逃げ出して行った。法信が、それを覆面の泥棒だと知るには幾秒かの時間を要した。
「やッ、和尚さま!」
不思議にもその時恐怖を忘れた彼が、こう叫んで、泥棒のあとから駈け出そうとすると、和尚はぎゅッと彼の腕をつかみ今までとは似ても似つかぬやさしい顔をして言った。
「捨てておけ。逃げたものは逃がしておけ。だが、法信、勘忍してくれよ。今のわしの話した蝋燭の一件は、あれはわしがとっさの間にこしらえた話だよ。