Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しかばねをくうおとこ

死屍を食う男

葉山 嘉樹

Lisez 死屍を食う男 (しかばねをくうおとこ) de 葉山 嘉樹 (はやまよしき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 482 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

安岡は、自分自身にさえ気取られないように、木柵に沿うて、グラウンドの塵一本さえ、その薄闇の中に見失うまいとするようにして進んだ。

やや柵の曲がった辺へ来ると、グラウンドではなく、街道を風のように飛んでゆく姿が見えた。

その風の姿は、一週間前、セコチャンが溺死した沼のほうへと飛んだ。

安岡は、自分が溺死しかけてでもいるような恐怖にとらわれ、戦慄を覚えた。が、次の瞬間には無我夢中になって、フッ飛んだ。

道は沼に沿うて、蛇のように陰鬱にうねっていた。その道の上を、生きた人魂のように二人は飛んでいた。

沼の表は、曇った空を映して腐屍の皮膚のように、重苦しく無気味に映って見えた。

やがて道は墓地の辺にまで、二人の姿を吹くように導いた。

墓地の入り口まで先頭の人影が来ると、吹き消したように消えてしまった。安岡は同時に路面へ倒れた。

墓地の松林の間には、白い旗や提灯が、巻かれもしないでブラッと下がっていた。新しいのや中古の卒塔婆などが、長い病人の臨終を思わせるように瘠せた形相で、立ち並んでいた。松の茂った葉と葉との間から、曇った空が人魂のように丸い空間をのぞかせていた。