Classiques japonais avec furigana
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しせい
死生
幸徳 秋水
Lisez 死生 (しせい) de 幸徳 秋水 (こうとくしゅうすい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 970 caractères · 20 écrans
のである、死者は何の感ずる所なく、知る所なく、喜びもなく、悲しみもなく、安眠・休歇に入って了うのに、之を悼惜し慟哭する妻子・眷族其他の生存者の悲哀が幾万年か繰返されたる結果として、何人も漠然死は悲しむべし恐るべしとして怪しまぬに至ったのである、古人は生別は死別より惨なりと言った、死者には死別の恐れも悲みもない、惨なるは寧ろ生別に在ると私も思う。
成程人間、否な総ての生物には、自己保存の本能がある、栄養である、生活である、之に依れば人は何処までも死を避け死に抗するのが自然であるかのように見える、左れど一面には亦た種保存の本能がある、恋愛である、生殖である、之が為めには直ちに自己を破壊し去って悔みない省みないのも、亦た自然の傾向である、前者は利己主義となり、後者は博愛心となる。
此二者は古来氷炭相容れざる者の如くに考えられて居た、又た事実に於て屡ば矛盾もし衝突もした、然し此矛盾・衝突は唯だ四囲の境遇の為めに余儀なくせられ、若くば養成せられたので、其本来の性質ではない、否な彼等は完全に一致・合同し得べき者、させねばならぬものである、動物の群集にもあれ、人間の社会にもあれ、此二者の常に矛盾・衝突すべき事情の下に在る