Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぼしじょじょう

母子叙情

岡本 かの子

Lisez 母子叙情 (ぼしじょじょう) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 77 355 caractères · 153 écrans

Aozora Bunko

「やあ、これは、参った」

けれども、かの女は冗談にされてはたまらないと思い、まじめな返事をした自分の不明を今更後悔する沈黙で、少し情ない気持を押えていると、さすがに老紳士は気附いて、

「なる程な。そこまで伺えば、よく判りますて」

といって、下手から、かの女の気持のバランスを取り直すようにした。かの女は少し気の毒になって、ちょっと頭を下げた。

すると、老紳士は、そのまま真面目な気分の方へ誘い込まれて行って、視線を内部へ向けながら、独言のようにいった。

「大乗哲学の極意は全くそこにあるんでしょうなあ。ふーむ。だが、そこまで行くのがなかなか大変だぞ」

そしてそのことと自分のむす子とが、何かの関係でもあるかのように、むす子のこけた肩を見た。むす子は青年にしては、あまりに行儀正しい腰掛け方をしていた。――かの女はこの時、このむす子がずっと前、母親を失っているのを何かの雑誌で見ていたことが思い出された。

老紳士は深刻な顔つきで、アイスクリームの匙を口へ運んでいたが、たちまち、本来の物馴れた無造作な調子に返った。

「一たい、おくさんのような、華やかなそして詩人肌の方が、また間違ってるかも知れんが、まあ、兎に角、どうして哲学なんかに縁がおありでしたな」