Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぼしじょじょう
母子叙情
岡本 かの子
Lisez 母子叙情 (ぼしじょじょう) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 77 355 caractères · 153 écrans
と規矩男は云った。
母の鏡子は土地の素封家の娘だった。平凡な女だったが、このとき恋に破れていた。相手は同じ近郊の素封家の息子で、覇気のある青年だった。織田といった。金持の家の息子に育ったこの青年は、時代意識もあり、逆に庶民風のものを悦ぶ傾向が強くて、たいして嫌いでもなかった鏡子をも、お嬢さん育ちの金持の家の娘という位置に反撥して、縁談が纏りかかった間際になって拒絶した。そして中産階級の娘で女性解放運動に携わっている女と、自分の主義や理論を証明するような意気込みの結婚をした。
平凡な鏡子が恋に破れたとき、不思議に大胆な好奇的の女になった。鏡子は忽ち規矩男の父の結婚談を承知した。父は鏡子の明治型の瓜実顔の面だちから、これを日本娘の典型と歓び、母は父が初老に近い男でも、永らく外国生活をして灰汁抜けのした捌きや、エキゾチックな性格に興味を持ち、結婚は滑らかに運んだ。
松林の中の別荘風の洋館で、越後のいわゆる、人生の本ものを味わうという家庭生活が始まった。
「しかし人生の本ものというものは、そんな風に意識して、掛声して飛びかかって、それで果して捉えられて味わえるものでしょうか。