Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はは
母
Lisez 母 (はは) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 551 caractères · 18 écrans
「一時は随分悲しゅうございましたけれども、――もうあきらめてしまいましたわ。」
二人の母は佇んだまま、寂しそうな朝日の光を眺めた。
「こちらは悪い風が流行りますの。」
女は考え深そうに、途切れていた話を続け出した。
「内地はよろしゅうございますわね。気候もこちらほど不順ではなし、――」
「参りたてでよくはわかりませんけれども、大へん雨の多い所でございますね。」
「今年は余計――あら、泣いて居りますわ。」
女は耳を傾けたまま、別人のような微笑を浮べた。
「ちょいと御免下さいまし。」
しかしその言葉が終らない内に、もうそこへはさっきの女中が、ばたばた上草履を鳴らせながら、泣き立てる赤児を抱きそやして来た。赤児を、――美しいメリンスの着物の中に、しかめた顔ばかり出した赤児を、――敏子が内心見まいとしていた、丈夫そうに頤の括れた赤児を!
「私が窓を拭きに参りますとね、すぐにもう眼を御覚ましなすって。」
「どうも憚り様。」
女はまだ慣れなそうに、そっと赤児を胸に取った。
「まあ、御可愛い。」
敏子は顔を寄せながら、鋭い乳の臭いを感じた。
「おお、おお、よく肥っていらっしゃる。