Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

すいちゅうのきゅうでん

水中の宮殿

野村 胡堂

Lisez 水中の宮殿 (すいちゅうのきゅうでん) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 533 caractères · 52 écrans

Aozora Bunko

「物置で寝るのは悪いよ。あすこは窓が小さいし、扉を開けると用心が悪いし」

健一はそんな事を言います。

「大丈夫ですよ、慣れてますから」

「いや、君が病気になると大変だ。僕は総監督といっても名前ばかりだから」

健一は無理に花井一郎を六畳の自分の寝台に寝かして、自分は物置の筵の上へ行きました。

その晩のことでした。

「少し変じゃない? 燿子さん」

夜中に、綾子は側に寝ている燿子を揺り起しました。

「どうして? 綾子さん」

「なんか唸ってるようよ」

「そうね」

二人は寝巻のまま床の上に降りると、手提電灯を持って、隣の部屋の方へ行きました。唸る声はそこから聞えるのです。

「花井さん」

兄健一の寝台に、今晩に限って花井が寝ている筈なのです。

「少し変ね、花井さんは御病気が悪いんじゃないかしら」

二人は顔を見合わせると、思い切って扉を押開けました。二筋の手提電灯の光に照らされて、

「あッ」

床の上は夥しい血汐、その上に花井一郎が倒れているのです。

騒ぎは急に大きくなりました。健一もお高さんも、人夫頭も飛んで来ました。

抱き起して見ると、花井は肩先と両手にひどい傷を受けて、虫の息になっているのです。