Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
すいちゅうのきゅうでん
水中の宮殿
野村 胡堂
Lisez 水中の宮殿 (すいちゅうのきゅうでん) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 533 caractères · 52 écrans
尤もこんな釣竿では駄目ですがね、手網があれば捕れますよ」
釣好きらしいヘルメットの男は、そのまま水面の浮標の動きにじっと見入りました。まだ三十代でしょうが、日に焦けて渋紙色の皮膚、何となく知識的な物の言いようなど、兎に角、この辺には滅多にいそうもない不思議な人物です。
健一は何となく圧迫されたような心持で、礼を言って帰って来ると、綾子も燿子ももう起出して、お高さんを相手に昼の仕度をしております。
「お兄様、大変な人が来ましたよ」
健一の姿を見ると、燿子は飛出して来てそっと囁きました。
「何だ燿ちゃん」
「唐崎商事の社長と秘書よ、――その秘書というのが、仙台でまいた変なハイカラさんなの、一週間も前から、この辺をウロウロしているでしょう」
そのトンボ頭のハイカラなら、先刻変な釣の紳士が、堤防を壊したと教えてくれた曲者でしょう。どうかしたら、書生の花井を刺したのも、同じ人間だったかも知れません。
健一はむつかしい談判になりそうなのを覚悟して、小屋の中の居間とも客間ともつかぬ六畳の扉を押し開けました。
「や、君は翠川君、待っていましたぞ――御存じだろうが、私は唐崎荘之介、この平泉発掘事業の投資者だ、一緒に来たのは秘書の杉村三五郎君、どうぞ宜しく」