Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
すいせん
水仙
Lisez 水仙 (すいせん) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 364 caractères · 23 écrans
「静子はあなたの小説を、いつも読んでいましたから、きっとあなたのお家へお邪魔にあがっているんじゃないかと、――」
「冗談じゃない。僕は、――」敵です、と言おうと思ったのだが、いつもにこにこ笑っている草田氏が、きょうばかりは蒼くなってしょげ返っているその様子を目前に見て、ちょっと言い出しかねた。
吉祥寺の駅の前でわかれたが、わかれる時に僕は苦笑しながら尋ねた。
「いったい、どんな画をかくんです?」
「変っています。本当に天才みたいなところもあるんです。」意外の答であった。
「へえ。」僕は二の句が継げなかった。つくづく、馬鹿な夫婦だと思って、呆れた。
それから三日目だったか、わが天才女史は絵具箱をひっさげて、僕の陋屋に出現した。菜葉服のような粗末な洋服を着ている。気味わるいほど頬がこけて、眼が異様に大きくなっていた。けれども、謂わば、一流の貴婦人の品位は、犯しがたかった。
「おあがりなさい。」僕はことさらに乱暴な口をきいた。「どこへ行っていたのですか。草田さんがとても心配していましたよ。」
「あなたは、芸術家ですか。」玄関のたたきにつっ立ったまま、そっぽを向いてそう呟いた。