Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひょうが
氷河
黒島 伝治
Lisez 氷河 (ひょうが) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 824 caractères · 42 écrans
アメリカ兵は橇の上から懐中電燈でうしろを照した。電気の光りで大きい手を右のポケットに突っこんで拳銃を握るのがちらっと栗本に見えた。
「畜生! 撃つんだな。」
彼は立ったまゝ銃をかまえた。その時、橇の上から轟然たるピストルのひゞきが起った。彼は、引金を握りしめた。が引金は軽く、すかくらって辷ってきた。安全装置を直すのを忘れていたのだ。
「どうした、どうした?」
ピストルに吃驚した竹内が歩哨小屋から靴をゴト/\云わして走せて来た。
栗本は黙って安全装置を戻し、銃をかまえた。橇は滑桁の軋音を残して闇にまぎれこんだ。馬の尻をしぶく鞭の音が凍る嵐にもつれて響いてきた。
「どうした、どうした?」
「逃がしたよ。」
「怪我しやしなかったかい?」
「あゝ、逃がしちゃったよ。」
栗本の笑う白い歯が闇の中にあった。
四
馬が苦しげに氷上蹄鉄を打ちつけられた脚をふんばって丘を登ってきた。岩に乗り上げた舟のように傾いた橇の底では兵士が、でこぼこのはげしい道に動揺するたび、傷を抑えて歯を喰いしばった。
「おや、また入院があるぞ。ウェヘヘ。」
観音経を唱えていた神経衰弱の伍長が、ふと、湯呑をチンチン叩くのをやめた。