Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
Lisez 江戸情話集 (かごつるべ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 779 caractères · 407 écrans
相手の名はあらわには明かされないが、自分は廓にいる時から或る武家と言い交して、それがために駈落ちの日かげ者となってこの家に隠まわれている。十さんがそれを秘しているのは、つまりわたし達のためを思うからのことで、お前の疑うのは無理もないが、疑われた十さんは実に気の毒である。決して思い違いをしてはならないと言った。
お米も漸く疑いがほぐれて来た。今までは垣覗きの遠目でよく判らなかったが、こうして顔と顔とを突き合わせて親しくその人をみあげると、その鈴を張ったような大きい眼、しっかりと結んでいる口もとに、犯し難い一種の威をもっているようにも思われて、お米はなんだかまぶしく感じられた。しかもその眼には偽らない誠の光りがひそんで、その口には優しいなさけがこもっていることも、彼女の心を惹き付けた。この人が自分を欺そうとはお米もさすがに思われなかった。彼女はおとなしく聴いていた。
綾衣は又こんなことを言った。
お前が十さんと約束のあることは、わたしもここの阿母さんから聴いて知っている。こうして列べて見たところが丁度似合いの夫婦である。お前さん達は羨ましい。たとい一生を藁ぶき屋根の下に送っても、思い合った同士が仲よく添い遂げれば、世に生きている甲斐がある。