Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
Lisez 江戸情話集 (かごつるべ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 779 caractères · 407 écrans
「いくら叔父でも無法の成敗をしようとすれば、おれもこれを持っている」
外記は蚊帳の外へ手をのばして枕もとの刀を引き寄せた。遊女屋に大小は禁物で、腰の物はいつも茶屋に預けて来るので、綾衣は一度も外記の刀を見たことはなかった。ここへ来てからも別に気にも止めなかったが、今夜はふと思い出した。
「もし、いつか仲の町の草市で摺れちがった時の刀というのは、やっぱりこれでありんしたかえ」
「むむ、そうだ。お前の袖に引っかかった刀はこれだ。鍛えは国俊、家重代。先祖はこれで武名をあげたと、年寄りどもからたびたび聞かされたものだ」
「その刀は二人のためには結ぶの神とでも言うのでおざんしょう。わたしにもよく見せておくんなんし」
綾衣は袖の上に刀をのせて、鞘のままでじっと見入っているうちに、不思議な縁ということも考えられた。その晩、草市を見物に出た遊女も大勢あった。大門をくぐった侍も大勢あった。その大勢と大勢とのなかで、外記と自分とが偶然に行きちがって、偶然に自分の袖がこの刀の柄に絡んだ。そうして、二人を恋におとして、さらに暗いところへ導いてゆく。たとい二人が摺れちがっても、この刀さえなかったらなんにも起らずに済んだかも知れない。