Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きせんのなかのちちとこ

汽船の中の父と子

小川 未明

Lisez 汽船の中の父と子 (きせんのなかのちちとこ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.

N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 4 175 caractères · 9 écrans

Aozora Bunko

父親は、赤いさんごを採った、南の小さな島を思い出しました。また、青い石を掘った、北の寒い島の景色を思い出しました。また、暴風の日のことなどを思い出しました。かぎりない、海の上の生活を、つぎからつぎへと、記憶に呼び起こしたのであります。

「このオルゴールは、海の唄とでもいうのかな?」と、父親は感心して、たずねました。

おじいさんは、笑って、

「いや、鳥の唄だと、いったものがあります。」と答えたのでした。

「鳥の唄? なんという鳥であろう。」

父親は、どうしても、その鳥を思い出すことができませんでした。

「なんにしても、まあ、いい。どうか、このオルゴールを譲ってもらいたいものだ。」といって、おじいさんに、頼みました。

「私は、子供の時分から、故郷を出て流浪しています。このごろは、このオルゴールをいい値で買う人を見つけて、もし売れたら、故郷へ帰りたいと思っています。」といいました。

子供は、おじいさんのいうことを聞いて、同情しました。自分が、つねに、美しい草花や、ちょうや、野原に憧れている心持ちを、よく知っていたからであります。

父親は、いくらかの金を出して、そのオルゴールを買いました。