Classiques japonais avec furigana
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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
Lisez 沙漠の古都 (さばくのこと) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 110 076 caractères · 220 écrans
あいつが犯人に違いないとね。ところで僕は君の考えより、一つだけ余分に考えたってものさ。それは燐光の怪獣だが、これには必ず何らかの迷信がからまっているだろうと――そこで図書館へ飛んで行って、回鶻辺に拡がっている土人の迷信を調べて見ると、あったあった大ありだ。あの辺にわずかに残っている、回鶻人の後裔達は――土耳古人との混血児だが――燐光を纒った狛犬を彼らの神の本尊とし、狛犬を祭った神殿に対し、もしも無礼を加えたものは恐ろしい神罰を蒙むるだろうと、こう書いてあるその後へ、神罰の例が二つ三つ記してあったというものさ。神社の財宝を盗める者――狛犬の吠え声を耳に聞き、悪性の熱病にかかるべし。神殿の経文を盗めるもの――狛犬の姿を三度認め、三度目に命を失うべし云々……。
『それでは園長のエチガライは回鶻人の後裔かな?』僕はその時疑ったものだ。とにかく僕は大急ぎで、動物園へ行ったものだ。真っ先に園長に逢って見ると、どうして立派な西班牙人だ。そして可哀そうに大病だ。しかも病気は神経病だ。脅迫観念に捉らわれている。それから女中に逢って見ると、一見土耳古の女だけれど支那人のようなところもある。