Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かじか
河鹿
岡本 綺堂
Lisez 河鹿 (かじか) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 671 caractères · 12 écrans
奥二階の八畳の座敷に陣取って、雨に烟る青葉を毎日ながめながら、のんびりした気持で河鹿の声を聞いたのさ。いや、実をいうと、僕はそれまで河鹿の声などというものに対して特別の注意を払っていなかった。毎日聞いていれば、別にめずらしくもないからね。ところが、僕よりも一週間ほどおくれて、三人づれの女客がここの宿へ入込んで来た。ほかに滞在客は無し、女ばかりでは寂しいというのでわざわざ僕の隣を選んで六畳と四畳半の二間を借りることになったのだ。」
「みんな若いのかい。」
「むむ、二人は若かった。ひとりは女中らしい二十歳ばかりの女で、一人は十六ぐらいのお嬢さん、もう一人はこの阿母さんらしい四十前後の上品な奥さんで、みんな寡言なつつましやかな人達だから、僕の隣りにいるとはいうものの、廊下や風呂場で出会ったときにただ簡単な挨拶をするだけのことで、となり同士なんの交渉もなかった。」
「交渉があっちゃあ大変だ。」
「いや、まぜっ返しちゃいけない。」と、S君は真面目にいった。「まあ、聞きたまえ。もちろん相当の身分のある人の家族達には相違ないが、それにしてもあんまり淑ましやか過ぎる。むしろ陰気すぎるといった方が適当かも知れない。