Classiques japonais avec furigana
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あぶらじごく
油地獄
斎藤 緑雨
Lisez 油地獄 (あぶらじごく) de 斎藤 緑雨 (さいとうりょくう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 34 624 caractères · 69 écrans
所があるように、又た春泉へ出懸けて行ったが、生憎その日小歌は遠出だと云って、貰いたいにも土地には居なかった。
誰か外のになさいますかと、内儀みずから出て来ての尋ねに、小歌が居なければ帰ると云たいのは山々であったが、それもどうやら後ろが見られるようで、さようさと気のない挨拶に、勘考の時間を刻込んで居ると、やっぱりあの位の若い綺麗なのがと云って、内儀はもはや事極ったように立って行ったが、ほどなく婢から花次さんが参りますと告られた。花であろうが月であろうが、柳橋の土は今にしば/\踏んでも、芸妓として小歌の外目に留らない貞之進は、場合だけ繕って帰ろうと思って居ると、やがて帳場先の辺から笑い声がして這入って来たのはその花次とやらか、先では一向心づかぬ容子だが、貞之進はどこか見覚えのあるような気がするので、不思議なことがあるものと段々考えて見るとそのはず、いつぞや鳴鳳楼で段通織の下着を着て、しきりに小歌と興じ合って居たのはこの芸妓だ。されど貞之進は失望という蟠まりがあって、とかくこの座が面白くない、面白くないと思うと、一から十までことごとく面白くない、花次が上に着て居る