Classiques japonais avec furigana
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ぬまふじん
沼夫人
泉 鏡花
Lisez 沼夫人 (ぬまふじん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 541 caractères · 78 écrans
且つ現から我に返った、咄嗟には、内の細君で……返事をしたが、かくの通り、続いてちっとも音沙汰のないのを思え。対手は何でも、小松原自分の目には、皆胸にある、その人の俤に見えるのかも知れぬ。
「どこを、何を開けて、と云ったんだろう。」
一体――と渠はまた熟と考えた。
既に夢だと承知しながら、なお何か現在に、事を連絡させようとしている内が、その実、現だったものらしいが。
窓は開いているし、扉の外は音信は絶えたり、外に開けるものは、卓子の抽斗か、水差の蓋……
いや、有るぞ、有るぞ、棚の上に瓶がある。瓶も……四つ五つ並んでいたろう。内の医師が手にかけたという、嬰児の酒精に浸けたのが、茶色に紫がかって、黄色い膚に褐斑の汚点が着いて、ぐたりとなって、狗の児か鼠の児かちょいとは分らぬ、天窓のひしゃげた、鼻と口と一所に突き出た不状なのが、前のめりにぶくりと浮いて、膝を抱いて、呀! と一つ声を掛けると、でんぐりかえしを打ちそうな、彼これ大小もあったけれども、どれが七月児か、六月児か、昼間見た時、医師の説明をよくは心にも留めて聞かなかったが、海鼠のような、またその岩のふやけたような、厭な膚合、ぷつりと切った胞衣のあとの大きな疣に似たのさえ、今見るごとく目に残る、しかも三個。