Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぬまふじん

沼夫人

泉 鏡花

Lisez 沼夫人 (ぬまふじん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 541 caractères · 78 écrans

Aozora Bunko

四

と考え出すと、南無三宝、も一つの瓶には蝮が居たぞ、ぐるぐると蜷局を巻いた、胴腹が白くよじれて、ぶるッと力を入れたような横筋の青隈が凹んで、逆鱗の立ったるが、瓶の口へ、ト達く処に、鎌首を擡げた一件、封じ目を突出る勢。

「一口どうかね。」

と串戯に瓶の底を傾けて、一つ医師が振った時、底の沈澱がむらむらと立って、煙のように蛇身を捲いたわ。

場所が場所で、扱う人が扱う人だけ、その時は今思うほどでもなかったが、さてこう枕許にずらりと並べて、穏かな夢の結ばれそうな連中は、御一方もお在なさらぬ。

ああ、悪い処へ寝たぞ。

中にも件の長物などは、かかる夜更に、ともすると、人の眠を驚かして、

「開けて下さい。」

を遣りかねまい、と独りで拵えて、独りで苦笑した。

四

寝覚の思いの取留め無さも、酒精浸の蝮が、瓶の口をば開けて給べ、と夢枕に立った、とまでになる、と結句可笑く、幻に見た婦の顔が、寝た間も忘れぬその人を、いつもの通り現に見た、と合点が行くと、いずれ一まず安心が出来たので、そのまま仰向けに、どたりと寝た。

急に起上ったのであるけれども、さまで慌しくもなかったらしく、枕は思った処にちゃんとある。