Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ふどうするちか

浮動する地価

黒島 伝治

Lisez 浮動する地価 (ふどうするちか) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 079 caractères · 29 écrans

Aozora Bunko

そんな考えから、親爺は、借金や、頼母子講を落した金で、ちびり/\と田と畠を買い集めた。破産した人間の土地を値切り倒して、それで時価よりも安く買えると彼は、鬼の首を取ったように喜んだ。

七年間に、彼は、全然の小作人でもない、又、全然の自作農でもない、その二つをつきまぜたような存在となった。僅か、六畝か七畝の田を買った時でさえ、親爺と母はホクホクしていた。

「今年から、税金は、ちっとよけいにかゝって来るようになるぞ。」

土地を持った嬉しさに、母は、税金を納めるのさえ、楽しみだというような調子だった。兄と僕は傍できいていた。

「何だい、たったあれっぽち、猫の額ほどの田を買うて、地主にでもなったような気で居るんだ。」兄は苦々しい顔をした。

「ほいたって、あれと野上の二段とは、もう年貢を納めいでもえゝ田じゃが。」

「年貢の代りに信用組合の利子がいら。」

「いゝや、自分の田じゃなけりゃどうならん。」と、母は繰りかえした。「やれ取り上げるの、年貢をあげるので、すったもんだ云わんだけでも、なんぼよけりゃ。ずっと、こっちの気持が落ちついて居れるがな。」

村は、だん/\に変っていた。