Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Lisez 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) de 葉山 嘉樹 (はやまよしき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 161 305 caractères · 321 écrans

Aozora Bunko

彼らが、こうして、彼らの必要なる要求をするのに、何か、不都合ななすべからざる行為を企てでもしているように、彼ら、自身がまず、これを秘密にし、それが、ならない時は――という善後策をも考えねばならなかったことは、何を意味しているか。

それが、何を意味していようが、私の知ったことじゃない。ただ、私は、彼らが、人間としてあたり前のことを最小限度に要求する時に当たって、いつでも、その企ては、慎重に秘密にされる習慣を知っている。だれでも、地獄に落ちたくはないのだ。だれが、人間をこんなに、コソコソするように仕込んでしまったのか。

ちょうどこの時、船長は、そのマストがきれいになり、サイドが化粧し、うまい具合に満船したという報知を、チーフメーツから受け取って、彼女と、酒を飲んでいた。彼女は、「これが、この年のお別れで、来年は、また、すぐ会えるのね」と言ったふうな意味のことを言った。

「おれは、お前の美しいのが好きだけれど、そこがまた、おれを心配させもするんだよ」と、彼は杯をなめた。それは登別の温泉宿の一室で、燃えるような、緋の布団のかかった炬燵の中であった。

ボーイ長は、その時、鉄のサイドが、同時に彼のベッドの一方である、その寝箱の中で、海のものとも山のものともつかない傷と、病とのためにうなっていた。