Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こすいとかれら
湖水と彼等
豊島 与志雄
Lisez 湖水と彼等 (こすいとかれら) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 351 caractères · 25 écrans
女は空を恍惚と見上げている――
彼女は急いで家の中に入った。呼吸が喘いでいる。見てならぬものを見たという悔いよりも、神聖なるものを涜したというような恐れが胸に湧いた。お社の御龕をそっと覗いたような心地がした。其処に深い処から何かがちらと光った。じっとしていられないような気がした。
彼女は囲炉裡に火を焚いた。それから火鉢に湯を沸した。どうかしなくてはならないとわけもなく思った。
渚に舟の音がした時彼女は急いで其処へ立ち出でた。
「遅くなってすみません。」と男が云った。
「お帰りなさい。」と何気なく彼女は云った。
二人を家の中へ導いて後、彼女は舟から一切のものを運んだ。そして舟を其処に繋いだ。
彼女は暫く外に立っていた。何か大きいものが彼女の上に被さった。そしてわけもなく騒ぐ心が強く二人の方へ引き寄せられた。で何をともなく神を念じながら急いで家へ入った。
二人は囲炉裡の側に腰を掛けていた。それに茶をくんで出し乍ら彼女はこう云った。「お腹がおすきでしょうねえ。」
「いいえ。」と女が答えた。「舟の中で沢山種々なものを食きましたから。」
彼女も其処へ腰を下した。