Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こはん

湖畔

久生 十蘭

Lisez 湖畔 (こはん) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 24 180 caractères · 47 écrans

Aozora Bunko

心神が屈託して仕様がない。それでしばらく静養するつもりで箱根の別荘へ行った。

予告しておいたので、前栽の植木なども手入れが届き、床の間に花を飾ったりして気を使っているが、あの日の思い出は払い退けることが出来ない。陶がションボリ立っていた箱根笹の上に霜がおり、風が吹くたびにサヤサヤ鳴る。陶の部屋へ行って見ると、机の上の青磁の花瓶に寒菊が二三本※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)してある。日毎に取換えるのだろう。水もまだ新しい。嫌でも思い出させるものがあって、愉快でない。

朝ごとに霜が強くなり、神山の頂きが薄ッすらと白くなったと思うと、満山の楓葉が飛落し、一夜のうちに稜々たる山骨が露呈してしまった。俺は風邪気味で、懐炉を背負って憮然と庭を眺めていると、遠くから大勢の声が近づいて来て、玄関の方でなにか口々に呼び合っている。なにが起ッたのかと思っていると、甚造という下僕が走り込んできて、沓脱石に両手を突いた。俺は縁へ出て、

「なにを騒いでいるんだ、静かにしろと言え」

と叱りつけると、甚造は息を切らしながら、

「今朝、梅屋の重吉が深良の川口へ鰻のを揚げに行ったれば、蘆の根ッこに、ほとけさまがツラまッておりますゆえ、怖わ怖わ検分いたしましたところ、それが奥方様の御遺骸だッたンで御座いまし