Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こはん

湖畔

久生 十蘭

Lisez 湖畔 (こはん) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 24 180 caractères · 47 écrans

Aozora Bunko

俺は図に乗り、英人の論説を剽竊改刪して次々新聞紙上に発表したが、いずれも非常な反響を呼びおこし、臆病と無識の権化のようなこの俺は、狷介不覊の華族論客として、日に日に名声を高めることになった。

手術後、偏頭痛は大いに軽快したが、毎年晩春初夏の候になるときまって再発するふうなので、三十五年の初夏、脳病にきくということを聞いて、箱根の底倉へ湯治に行った。

あたかも六月の下旬で、窓に倚って眺めると、澗底の樹木は鬱蒼と新緑をたたみ、前面の峭崖から数条の小滝が落ち、その下に湧涌たる水声がある。俺は脳底に爽快をおぼえ、飽かずに眺め入ッていると、崖の狭ばまったところに架けた木橋を一人の少女が渡ってきた。

黄八丈の袷に被布を羽織り、髪に大形の薔薇の花頭をさしている。温泉場にはチト固苦しく上品に見えるものだから、気をとられて眺めていると、少女は顔をあげて俺と視線が合うや否や、頬を染めて腰をかがめ、一揖するなりソコソコに宿の中庭へ入って行った。

年の頃は十八九で、顔色はクッキリと白い中に桃の花のような紅味を帯び、眉は少し濃い方で、その間が狭ばまっていていかにも怜悧そうに見える。