Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
げんぞうがはら
源蔵ヶ原
山本 周五郎
Lisez 源蔵ヶ原 (げんぞうがはら) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 843 caractères · 28 écrans
「恥をさらすようだが、おれは二人の逢曳きを見た」と忠太は酒を啜ってから続けた、「四月の末から五月へかけて、三度、いや四たびだった、この店がひけたあと、源蔵ヶ原のもちの木のところでな、おれはこの眼でちゃんと見たんだ」
「おかしいな、二人は夫婦約束ができてたんだろう」と又次郎が云った、「そんならなにも、そんなところでこそこそ逢うこたあねえと思うがな」
「そのわけはのろが話す」と忠太が云った、「おれは自分の見たことを云うまでだ」
「宗ちゃん」と云って市三が、燗徳利を振ってみせた。
宗吉が手を鳴らし、女中の答えが聞えた。いっとき、小座敷の中がしんとなった。表の店の賑やかな騒音が高まるように感じられた。「ははあ」又次郎が膳の数を眺めて、なにか、合点のいったように頷いた、「――いままでの話のようすといい、膳が五つしきゃねえところをみると、わけというのは泰二なんだな」
誰もなにも云わなかった。女中がまた二人で酒を持って来、燗徳利を替えて去った。
「どうもおかしい」又次郎は首を振った、「みんなはなにもかも知っていて、おれ一人がつんぼ桟敷にいるみてえだ、宗ちゃんはおちついて飲めって云うけれども、これじゃあいくら飲んだって酔やあしねえや」