Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひのついたかかと

火のついた踵

宮本 百合子

Lisez 火のついた踵 (ひのついたかかと) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 781 caractères · 34 écrans

Aozora Bunko

振一郎 判らないことはない。あなたは僕のことなんか忘れて、愉快にすればいいんだ。その方が、僕にとったって、どの位呑気(のんき)だか判らない。

みさ子 (疑わしそうに、良人を見)そう? ほんとに?

振一郎 (力を入れ)ほんとにそうだとも! 若し僕が暇で気が向いたら、いつでも出て来て仲間に入ればいいでしょう?

みさ子 そうならほんとにいいわ。(嬉しそうに)じゃあ、後で出て下さること?

振一郎 いつ? 今日?

みさ子 (勿論と云うように)そうだわ。

振一郎 判らない。まああなただけで接待していてくれ。

みさ子 ――それじゃあ同じだわ……ああほんとに(椅子を立ち、歩き出しながら嘆息する)

振一郎 (気にし)どうしたの?

みさ子 (凝(じ)っと、憂わしげに良人を見る)私共の処でさえこうなんだから、よその奥さんが、自分のお友達さえ呼ばなくなるのは無理もないと思ったの。

振一郎 物事を、何でもそう悪意にとるものじゃあない。僕の云う真意を諒解しなければ、いつでも、詰らない衝突を起すばかりじゃあないか。

みさ子 (熱心に)ほんとに、私も私の心の奥の奥が判って頂きたいわ。理屈じゃあなく、私の感じることを、貴方の胸で感じて頂きたいわ。