Classiques japonais avec furigana
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やけどしたかみさま
火傷した神様
田中 貢太郎
Lisez 火傷した神様 (やけどしたかみさま) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 456 caractères · 7 écrans
それを見て土地の者は土地の者で、
「今日も来宮様は佳い気もちになって、歩いてらっしゃるが、此の寒いのに、あんな容をして、寒いことはないだろうか」
と云う者もあれば、
「そこが酒だよ、酒をめしあがりゃ、寒いも暑いもないさ。酒は天の美禄だと云うじゃねえか」
と云うようなことを云って笑う者もあった。さて来宮様は、土地の人間どもの寒そうな顔をして、あくせくしているのを憐みながら己の住居の近くへ帰って来た。其処は森の中で、入口には古ぼけた木の華表があった。来宮様はその時ひどく眠くなっていた。
「ああ、眠い、眠い、眠くてしかたがないぞ」
夢心地になって華表の下まで来たところで、もう一歩も歩かれなくなったので、そのまま其処へころりと寝てしまった。
ちょうどその時、二人の旅人が華表の近くへ来て休んでいたが、あまり寒いので、一方の旅人が、
「どうだ、火を焼こうか」
と云うと、一方の旅人も、
「いいだろう」
と云って、さっそく二人で枯枝を集め、腰の燧石で火を出して、それを枯枝に移して暖まりながら話しこんでいるうちに、強い風が吹いて来た。旅人はあわてて、
「こりゃ、いかん」
「燃えひろがっては、たいへんだ」