Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かやくせん

火薬船

海野 十三

Lisez 火薬船 (かやくせん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 61 552 caractères · 124 écrans

Aozora Bunko

た。

大椿事

信仰のあつき一等運転士坂谷も、これまた、出来事の真相は、よくのみこめないが、霊感にもとづいて、死力をつくして出航を急いだ。

エンジンは、ようやくうごき出した。しかし錨は、なかなかひき上げられなかった。これには、一等運転士はよわってしまったが、

「早くやるんだ。じゃあ、錨は、そのままにしておいて、船を出せ。全速力! 全速力でやるんだ」

「全速といっても、錨が……」

「かまうことはない、錨索はフリーにしておいて、船を走らせるんだ」

船は、うごきだした。だから、錨索は、がらがらと船内からくり出していった。

「全速まで、早くあげろ。錨索を切ってしまえ」

そんな無茶な命令を、聞いたことがない。

「よし、おれがやろう!」

竹見は、大きなハンマーをかついで、甲板へとびだした。彼は、力一杯、走る錨索の上を、がーんと、どやしつけた。しかしそんなことで錨索は切れない。

そのうちに、とうとう錨索は、ぴーんと張ってしまった。船はエンジンをかけているが、錨のために、もはやすこしも前進しなくなったのだ。

「だめです。一等運転士。錨が上らなきゃ、もうどうしてもうごきません」