Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はいかぐら

灰神楽

江戸川 乱歩

Lisez 灰神楽 (はいかぐら) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 262 caractères · 27 écrans

Aozora Bunko

そして、いくらか思考力を取り返すことが出来た。

「俺は一体何を恐れていたのだろう」

考えて見れば、昼間の焦燥は無意味であった。仮令奥村一郎の死が他殺と断定されようと、恋人が彼に疑惑の目を向けようと、或は又刑事探偵が訪ねて来ようと、何も彼が有罪と極った訳ではないのだ。彼等には一つも証拠というものがないではないか。それは単に疑惑に過ぎぬ。いやひょっとしたら彼自身の疑心暗鬼かも知れないのだ。

だが、決して安心することは出来ぬ。なる程、額の真中を撃って自殺する奴もなかろうから、警察が他殺と判断したのは無理でない。とすると、そこには下手人が必要だ。現場に何の証拠もなければ、警察は被害者の死を願う様な立場にある人物を探すに相違ない。奥村一郎は日頃敵を持たぬ男だった。庄太郎を外にして、そんな立場の人物が存在するであろうか。それに悪いことは、弟の奥村二郎が、彼等の間の恋の葛藤をよく知っていたことである。二郎の口から、それが警察に洩れないとどうして云えよう。現に今日の刑事とても、二郎の話を聞いた上で、十分疑いを持ってやって来たのかも知れないではないか。

考えるに従って、やっぱり逃れる途はない様な気がする。