Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はいいろのきおく
灰色の記憶
久坂 葉子
Lisez 灰色の記憶 (はいいろのきおく) de 久坂 葉子 (くさかようこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 65 588 caractères · 132 écrans
鞄をあけて、兄弟は中を一斉にのぞきこんだ。読書ぎらいの兄は、又本かと云うような顔付で包を受けとった。姉はきれいな英語の漫画の本であった。ところが私には、四角い箱がわたされた。それは、あのお人形の首だけしかはいっていない位の大きさであった。私はそれでも、わずかな希望でもって、その包みをほどいた。中にありふれた人形がよこたわっていた。小さな胸に、あんな憤りを感じたことはそれ迄なかった。私はいきなりその西洋人形の髪の毛をひっつかみ柱にぶっつけた。ママーと云ってその人形の頭は砕けた。
「パパは嘘おっしゃったの、ママも嘘おっしゃったの、ボビはわかったの、わかったの」
その日から、私はもう大人達を信じなくなった。そして、自分の心の中をすっかり閉ざして誰にもみせないようにしてしまった。そして又大きな裸の人形と眠るゆめが、やぶれてしまったという失望と――その頃はもう、乳母の乳房をいじることは、弟の手前、出来なかったのである――大人に欺されたという腹いせとが、私を妙にこじれさせ、恐しいことには嘘をついてもよいのだという気持が、もこもこと起き上って来たのである。そしてその一種の嘘が、空想したり想像したりするたのしみをつくらせた。