Classiques japonais avec furigana
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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
Lisez 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) de 須川 邦彦 (すがわくにひこ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 100 616 caractères · 201 écrans
このことのあったつぎの年から、そのころ世界一さかんであった、アメリカ中の捕鯨船が、金華山沖にあつまって、めちゃくちゃに鯨をとった。なんでもしまいには、各国の、大小七百何隻の捕鯨帆船が、金華山沖に集まったというのだから、太平洋の鯨もたまらない。
一八二三年に、そのアメリカ捕鯨船が、小笠原の母島を発見した。小笠原島には、いい港がある。年中寒さしらずで、きれいな飲料水がわき出ている。木がおいしげっていて、いくらでもたきぎがとれる。そのうえ、鯨も島の近くに多い。そして、そのころは無人島だったから、上陸した乗組員は、天幕をはって休養したが、のちにはりっぱな家をたてて、幾人もの鯨とりが住まうようになった。
おいらの父親も、小笠原に家をもったのだ。そして、おいらは、一八四五年(弘化二年)に、この島で生まれて、フロリスト・ウィリアム、と名まえをつけられた。
そのじぶん、捕鯨船では、小笠原島のことを、ボーニン島といっていた。なんでも話にきくと、日本のお役人に、
「あの島の名まえは、何というのですか」
と聞いたら、
「あれは無人島です」
といったのを、ブニンを、ボニンと聞きちがえて、とうとうボーニン島になったのだそうだ。