Classiques japonais avec furigana
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むざんやな
無惨やな
久生 十蘭
Lisez 無惨やな (むざんやな) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 601 caractères · 16 écrans
そういって、又内と民部左衛門の死体のある部屋へ連れて行った。
「見ろ、両人とも抜きあわしているだろう。騙し討ちではなかったぞ」
果し合いの次第をくわしく話し、
「委細は、この一通に書きこめておいた。介錯をしたら、これを主水どのにお渡し申せ。後々のことは、親類中と相談して、しかるべく取計らえばよし……では、これまで」
と胸をおしくつろげ、左の脇へ脇差を突き立てた。
作左衛門は後にまわって介錯すると、衣服を着かえて書院へ行った。
「さぞかし、ご退屈なことでありましたろう。手前、主人が申しますには、今夕、本多、犬塚のご両所を打ち果したよしにございます」
主水は自若とした面持で、
「首尾は」
とたずねた。作左衛門はうなずいて、
「ずいぶん、首尾よく」
「よしよし……さらば、匆々に腹を召されるがよからん」
「ぬからず、切腹いたしました」
ふところから蔵人の遺書を出し、
「委細はこの一通に」
といって主水に渡した。
主水は受取って、
「目付衆の立会で拝見することにしよう。あずかっておく」
煙草を二三服喫い、
「火の元、勝手など、見廻りたいが、検視のすまぬうちは、ここを立つわけにはいかぬ。