Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
むだい(いち)
無題(一)
宮本 百合子
Lisez 無題(一) (むだい(いち)) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 20 502 caractères · 41 écrans
その物語は、女の小さい時に森の中のくるみのすきなリスからきいたのだそうです。可愛い小さいお話でした。女は詩人の頸を白い手でしっかり巻いてしずかに波うつ胸によせながら何事か頬を赤めながら旅人のかおを見つめて居ます。向うの山の手の一粒に見える所に日が落ちて詩人の黄金の毛は美くしくかがやき女の小指のさきは美くしくすき通って居ます。
女「もうかえりましょう。日も落ちましたワ」と空を見あげてうっとりとした声で云います。
詩「ほんとうにネお姉さま、貴女のかげと私の影がまっくろになって頭の方は一所になっていますワ。私の心は今、何とも云われない美くしい思いがしています。どうぞも少しこうやっておいて下さいネ」
女「エエ、エエ、いくらでも。美くしい詩を私にきかせて下さい」と女はその美くしい想をやぶるまいとするようにそっとその手をにぎったまま、向うの山の上の方に目をやって、小さい口を少し開いて居る横顔を尊いマーブルの像でも見るような目をしてみています。旅人の口はかるく開いて夕づゝを讚美のうたはまっかなハートからほとばしり出るようにうたわれました。情のたかまった若い十六にみたない詩人は此の世の人とも思われない女の胸によったまま手で胸を押えて目は上を見ながら美くしい美くしい声でうたって居ます。