Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Lisez 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 86 705 caractères · 173 écrans
何か、曰くありげなようす。
とりまき連は日夜酒で、きょうも朝から痛飲、放歌乱舞、すわり相撲やら脛押しやらそれを出羽守は弥四郎頭巾の中から眼を光らせて、終日、にやり、にやりと笑って眺めているので。
よほどどうも変った大名には相違ない。
いま。
伴大次郎が女髪兼安を佩して、三国ヶ嶽の頂上を指して闇黒に消えて行ったすぐあと。
見送っていた法外先生と千浪は、ほっと溜息を残してしょんぼりと、促し合って梯子段を、二階の自室へ帰って行こうとしている。
とん、とん――とん! と、父娘が階段を踏み上る跫音に、広間の一同は、出羽守の弥四郎頭巾へ据えていた眼をかえして、またじっと、登って行く千浪の背後すがたを凝視める。淫靡な視線が、千浪の腰、脚のあたりに、絡むように吸いついて。
大兵の中之郷東馬、さも感に耐えたように、赭ら顔を一振りふって大声に、
「いや、逸品!」
「五月蠅いっ!」
出羽守は、咬みつくように呶鳴って、すぐ、笑いを呑んだ冷い声を、階段の法外先生へ投げ上げた。
「おい、老い耄れ! 娘を借りようかの。このとおり、野郎ばかりで埒の明かぬところ。酒の酌が所望じゃ――。