Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
もゆるほお
燃ゆる頬・聖家族
堀 辰雄
Lisez 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) de 堀 辰雄 (ほりたつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 71 309 caractères · 144 écrans
その高原から帰ると間もなく、私はT村からお前の兄たちの打った一通の電報を受取った。それは一種の暗号電報だった。――「ボンボンオクレ」
私は今度はなんの希望も抱かずに、ただ気弱さから、お前の兄たちの招待をことわり切れずに、T村を三たび訪れた。もうこれっきり恐らく一生見ることがないかも知れぬ、私の少年時の思い出に充ちた、その村の海や、小さな流れや、牧場や、麦畑や、古い教会を、ちょっと一目でもいいから、もう一度見ておきたいような気もしたから。それに矢張り、何んといっても、その後のお前の様子が知りたかったから。
私がいままではあんなにも美しく、まるで一つの大きな貝殻のように思いなしていた、その海べの村が、いまは私の目に何んと見すぼらしく、狭苦しく見えることよ! 嘗てはあんなにもあどけなく思っていた私の昔の恋人の、いまは何んと私の目には、一箇の、よそよそしい、偏屈な娘としてのみ映ることよ!……それから去年よりずっと顔色も悪くなり、痩せこけている私の競争者を見た時は、私はなんだか気の毒な気さえしだした。そうして私はますます彼を避けるようにした。彼は時々悲しげな目つきで私の方を見つめた。