Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
もゆるほお
燃ゆる頬・聖家族
堀 辰雄
Lisez 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) de 堀 辰雄 (ほりたつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 71 309 caractères · 144 écrans
彼が何をぐずぐずしているのか分るような気がした。数分後、彼女はやっと門を這入って来る彼を見たのであった。
彼はばかに元気よく帽子を取った。それにつり込まれて彼女までが、愛らしい、おどけた微笑を浮べたほどであった。そして彼女は彼と話しはじめるが早いか、彼が肉体を恢復したすべての人のように、みょうに新鮮な感受性を持っているのを見のがさなかった。
「お病気はもういいの?」
「ええ、すっかりいいんです」
彼はそう答えながら彼女の顔をまぶしそうに見つめた。
彼女の顔はクラシックの美しさを持っていた。その薔薇の皮膚はすこし重たそうであった。そうして笑う時はそこにただ笑いが漂うようであった。彼はいつもこっそりと彼女を「ルウベンスの偽画」と呼んでいた。
まぶしそうに彼女を見つめた時、彼はそれをじつに新鮮に感じた。いままでに感じたことのないものが感じられて来るように思った。そうして彼は彼女の歯ばかりを見た。腰ばかりを見た。その間に、彼は病気のことは少しも話そうとはしなかった。そういう現実の煩さかったことを思い出すことは何の価値もないように彼は思っていた。そのかわりに彼は、真白なクッションのある黒い自動車の中に黄いろい帽子をかぶった娘の乗っていたのが、西洋の小説のように美しかったことなどを好んで話すのだった。